2024.04.09更新
「おとり物件って何?」
「おとり物件の見分け方は?」
「おとり物件があるのはなぜ?」
せっかく見つけた物件が、問い合わせてみると内見できなかったという経験をお持ちの方は多いかと多いのではないでしょうか。
おとり物件とは、実際には募集が終了しているにもかかわらず、不動産サイトなどに掲載されていて、契約できない物件です。
この記事では以下の内容について解説します。
- おとり物件の見分け方
- おとり物件ができてしまう理由
- おとり物件にひっかからないための対策
この記事を最後まで読めば、おとり物件にひっかかることなく、理想の物件に速く出会うためのコツがつかめます。
この記事の目次
- おとり物件とは実際に契約できない物件
- おとり物件の見分け方6選
- おとり物件ができる理由
- おとり物件にひっかからないための対処法
- おとり物件は違法!見つけたら相談・通報しよう
- おとり物件を避けて良い物件に出会うためにはスピードが重要
おとり物件とは実際に契約できない物件
おとり物件とは、情報サイトに掲載されているにもかかわらず、なんらかの原因で実際には契約できない物件のことです。
公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会が、2020年11月から12月にかけて行った調査結果によると、12.2%がおとり広告(おとり物件の掲載)であったことが認められました。
事業者別でみると、36社のうち13社におとり広告があり、その比率は実に36.1%でした。
おとり物件にひっかかると、貴重な時間が無駄になるうえ、営業マンの押しに弱い人は、強引に別の物件を契約させられるリスクもあります。
おとり物件の見分け方6選
おとり物件の見分け方には、以下のような6つの方法があります。
- 条件が良すぎないか
- 詳細な情報が記載されているか
- 画像が見づらいまたは少なくないか
- 掲載日が古くないか
- 1サイトだけに掲載されていないか
- 内見可能と即答しないか
それぞれ解説します。
1. 条件が良すぎないか
相場より家賃が安すぎたり、初期費用がほとんどかからなかったりなど、条件が良すぎる場合、おとり物件の可能性があります。
好条件の物件はすぐに借り手がつくため、おとり物件でなくても問い合わせの段階で、すでに契約済みになるケースもあります。
明らかに条件が良すぎる場合、事故物件など何らかの問題点が隠されている場合もあるため、違和感を覚えたら不動産会社に理由を確認しましょう。
前入居者が自殺・他殺により死亡した物件、または死亡により特殊清掃が必要になった物件のこと。
その事実が発生・発覚してから3年経過するまでは、入居希望者に事実を告知される。
2. 詳細な情報が記載されているか
物件名や住所など、詳細な情報をあえて伏せている場合、メールや電話で詳細情報を問い合わせてみましょう。
問い合わせた際に詳細情報を開示せず、来店時に伝えるなどという場合、おとり物件である可能性が高いといえます。
以下の詳細情報が記載されていない場合、問い合わせの段階で詳細情報を教えてくれるかどうかで、おとり物件かどうかを確認できます。
- 住所
- 広さ
- 設備
- 物件の画像
3. 画像が見づらいまたは少なくないか
サイトに掲載されている画像が以下のような場合、おとり物件の可能性があります。
- 画像が荒い
- 画像が小さい
- 画像が少ない
- 室内の画像がない
- 違う物件にも同じ画像が使われている
おとり物件は他サイトの画像を切り取って掲載するため、上記のようなことになりがちです。
ただしおとり物件でなくても、退去予定のため室内の写真撮影ができない場合もあるので、不動産会社に確認しましょう。
入居者が退去前に募集を開始している場合、室内画像がないこともあります。
4. 掲載日が古くないか
物件の掲載日や更新日が古い場合も、おとり物件の可能性があります。
特に相場より家賃が安いなど、条件が良すぎるのに日付が古い場合は、かなりの確率でおとり物件です。
条件が良いにもかかわらず借り手がなかなかつかない場合、おとり物件でなかったとしても、何か問題がある物件の可能性が高いといえます。
5. 1サイトだけに掲載されていないか
不動産情報サイトに掲載されているのは、レインズという国土交通省から指定を受けた不動産流通システムに掲載されている物件情報です。
すべての不動産会社はレインズから情報を得ており、同じ物件が複数のサイトに同じ条件で掲載されているため、1サイトでのみ掲載されている物件は、おとり物件の可能性があります。
またサイトに掲載されておらず、不動産屋の店先にのみ掲げている物件も、店内に誘導するためのおとり物件である可能性が高いといえます。
6. 内見可能と即答しないか
電話で問い合わせた際に、営業マンが内見可能とすぐに答える場合も、おとり物件かもしれません。
通常内見するためには大家さんか管理会社に、内見可能か確認を取る必要があるからです。
内見が可能か確認もせず、「可能です」とすぐ答える場合、来店させるための嘘の可能性があります。
おとり物件ができる理由
おとり物件ができる理由には、以下のような3つのケースがあります。
- システム上おとり物件ができるケース
- 管理ミスでおとり物件ができるケース
- 故意におとり物件を掲載しているケース
それぞれ解説します。
システム上おとり物件ができてしまうケース
レインズ(不動産流通システム)の利用者には、以下の2種類があります。
- 元付け不動産会社:物件情報を登録したり削除したりする
- 客付け不動産会社:情報を検索・閲覧し自社ポータルサイトに掲載する
元付け不動産会社はアパートやマンションのオーナーから募集の取り下げを依頼されると、レインズの登録情報を削除します。
しかし客付け不動産会社側のポータルサイトに掲載されている情報が、レインズの新しい情報に更新されない場合、意図せずおとり物件になってしまいます。
不動産公正取引協議会の規定で、情報更新頻度は1週間と定められており、最大1週間は掲載され続けてしまうケースが発生します。
管理ミスでおとり物件ができてしまうケース
意図せずおとり物件が発生してしまうもう一つの原因は、物件情報の管理ミスです。
以下のような場合、おとり物件になってしまいます。
誰のミスか | 原因 |
---|---|
元付け不動産会社のミス | 情報の削除を忘れている 削除するまでに時間がかかっている |
客付け不動産会社のミス | 自社サイトの更新を怠っている 募集を終了した物件情報を消し忘れている |
故意におとり物件を掲載しているケース
故意におとり物件を掲載しているケースもあります。
おとり物件で入居希望者を釣り、来店に誘導して別の物件で契約させるためです。
「おとり物件の見分け方」で紹介したとおり、故意に掲載しているおとり物件は、条件が良いのに掲載期間が長かったり、詳細な情報の記載がなかったりなどの特徴があります。
おとり物件にひっかからないための対処法
おとり物件にひっかからないための対処法は、以下の5つです。
- 不動産会社に詳細情報を直接確認する
- 問い合わせの時点で募集終了の際は連絡希望と伝える
- 内見は現地集合にする
- 不動産会社の評判をチェックする
- 複数の不動産会社に問い合わせる(不安な時)
それぞれ解説します。
1. 不動産会社に詳細情報を直接確認する
おとり物件にひっかからないために、まず不動産会社に詳細情報を直接確認しましょう。
故意に掲載しているおとり物件でなくても、条件の良い物件はすぐに契約されるケースが多く、特に1月〜3月の繁忙期には、すぐに募集を終了してしまうことも多くなります。
気になる物件があったら、なるべく早く不動産会社に詳細情報を確認することをおすすめします。
2. 問い合わせの時点で募集終了の際は連絡希望と伝える
不動産会社に問い合わせをした際、「来店や内見までに募集が終了した場合は連絡希望」と伝えておきましょう。
他の物件なら来店や内見しないという意思表示をすることで、無駄に勧誘されることを防げます。
できれば内見当日の朝、募集が終了していないか、再度確認すると効果的ですよ!
3. 内見は現地集合にする
おとり物件は内見ができないため、内見は現地集合でと希望するのも有効な手段です。
ただし、現地まで案内してもらえないので、道に迷わないようあらかじめ自分で場所を確認しておく必要があります。
現地の周辺環境などの案内が受けられない点と、現地集合・解散だと、店頭で他の物件の情報提供を受けられない点には注意が必要です。
現地に行くのに土地勘がなくて不安な場合も、現地集合じゃないほうがよさそね?!
4. 不動産会社の評判をチェックする
物件情報を掲載している不動産会社の評判を、SNSやサイトでチェックするのも有効です。
悪い口コミの中に、おとり物件だったという記載が複数ある場合、日常的におとり物件を掲載している可能性があります。
5. 複数の不動産会社に問い合わせる(不安な時)
最初に問い合わせた不動産会社の対応で、何か不安や違和感を抱くようなことがあった場合、他の不動産会社に問い合わせることも可能です。
掲載物件は他の不動産会社でも紹介可能な場合が多いからです。
しかし複数の営業マンの時間と手間をとらせるため、複数に問い合わせるのは不安な時だけにしましょう。
おとり物件は違法!見つけたら相談・通報しよう
おとり物件だと判明した場合、以下の各ポータルサイトから通報が可能です。
上記サイトから通報すると、各ポータルサイトがおとり物件であるかを確認します。
おとり物件だった場合、ポータルサイトから物件情報は削除され、違反業者は1カ月間広告が掲載できなくなります。
おとり物件を見つけただけでなく、トラブルになった場合は、各都道府県の不動産部門で相談可能です。
また消費者庁の景品表示法違反被疑情報提供フォームからも、通報できます。
おとり物件を避けて良い物件に出会うためにはスピードが重要
良い物件に出会うためにはスピードが重要です。
おとり物件でなかった場合も、良い物件は契約に至るまでが短期間だからです。
おとり物件にひっかかって時間を無駄にしている間に、良い条件の物件が埋まってしまうと、良い物件に出会うチャンスが遠のいてしまいます。
新居を探すことになったら、なるべく迅速に情報収集をし、行動、決断することが肝心です。
この記事を参考にして、迅速に良い物件を見極めて、理想の新しい住まいを見つけて頂ければ幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。